ROKUZAEMONの諸行無常

田舎でひっそりと暮らしています

セントラム

今日は急に思い立って富山にいく。お目当てはセントラムである。23日に開業した路面電車(富山地方鉄道環状線)に導入された新型車両(LRT)で、テレビで見てあまりのかっこよさに一度見てみたくなったのである。

電車に乗りに行くので、金沢から電車で行くことにした。金沢~富山間は、特急自由席往復で3,500円でいける。高速料金(通常)+ガソリン代を考えるとトントンくらいだが、やはり電車を乗り継がないとその良さは理解できないのでは、と勝手に思いながら出かけたのであった。

こんなことをいうと富山県民には失礼かもしれないが、富山市も含めて富山県内の町は、レトロというか、昭和の薫りが残るというか、若干古ぼけた感じがするところが多い(それでも富山市内は5年前よりはましになったか)。そのようなまちなかに、斬新な電車が走っていた。

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これが以前から走っている路面電車。レトロでんなー。

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土曜日だからか、そこそこの人が乗っている。

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これがセントラム。意外に町並みに調和している。古い車両と交わっても違和感がない。

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小さい頃から電車に親しんできた者としては、車窓 から見る風景というのは格別である。ちなみに運転しているのは女性である。

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セントラムは、既存の路面電車のうち、約940mの区間を新設して、環状路線にして、市街地1週を約20分で周回する路線を走る。写真の区間が新設区間である。LRTは普通の鉄道路線と比べて費用負担が安くすむといわれているが、環状線の場合は30億円かかったとのこと。駅(電停)の新設や道路改良なども込みだとは思うが、ちょっと高いような気もするのは気のせいか。車両込みならそんなもんか。

電車が走る区間は、片側2車線の区間もあるが、片側1車線の区間もあり、必ずしも広幅員道路とは限らない。車の渋滞などが気がかりであるが、見ている限りは問題なさそうだ。

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車内。横幅2.4mあり、思った以上に広々としている。低床車両でバリアフリー化されており、乗り降りも容易である。

これまで富山といえば、立山や黒部の中継地点であり、富山に立ち寄って観光しようという人は少なかったのではないかと思うが、数年前に開業したポートラムと合わせて、貴重な観光資源を手に入れたのではないだろうか。公共交通であるので、市民や来訪者の移動手段(二次交通)として活用されるのは勿論であるが、路面電車に乗ることを目的に来る人も増えるのではないかと思う。いわゆるまちなかクルージングである。セントラムやポートラムに乗って半日周遊するプランなどあれば、もっと多くの人が富山に来るのではないかと思う。

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黒とシルバーを貴重とした車両は、北陸の鉛色の空にもマッチしている。

あと、まちなかを活性化する手段として、デザインの持つ力というものも再認識した。これだけかっこいいから話題になるのである。個性と調和と両立させているところはすばらしいと思う。

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これはこれで富山らしくて良い。

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おまけ 富山駅北から岩瀬浜まで運行しているLRTの先駆け、ポートラム。セントラムと異なり、ポップな色合いが特徴である。

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富山では、公共交通の充実に合わせて、高齢者の免許自主返納の取り組みも進めており、車中心の社会からの脱却を図ろうとしている。地球温暖化や交通安全を考えた場合、高速道路無料化云々よりも、モーダルシフトに向けた取り組みを進めるほうが重要だと思う。現在の民主党政権に一番欠けている視点ではないかと思う。

金沢にも本当はLRTがあってもいいと思うのだが、無理かのー。金沢は公共交通が充実すれば、かなり住み良い街になると思うんだけどね。