ROKUZAEMONの諸行無常

田舎でひっそりと暮らしています

兼六園の苔

今日は会社を休む。たまには休まないと。本当は遠出がしたいのだが、お金がないので・・技術士に合格して資格手当がついたのだが、それ以上にほとんど残業しなかったせいで、逆に収入が減ってしまった。お金ほしさに残業はイカンと思うのだが、さすがにもう少し働かないと。 

今年は寒い冬だったことや震災の心理的影響で、家に閉じこもる日が多くて、結果すっかり体がなまってしまった。山にはまだ雪が残っているので土日はマシンで汗を流す。すっかり体力が落ちているのがわかったが、2日間運動して多少はスタミナが戻ったかのー。

今日は運動もかねて、午前中金沢市内を散策する。

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大手堀周辺の桜。満開手前といったところか。 しかし今日は寒い一日だった。

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百万石通りも5分咲きから7分咲きといったところか。しかし金沢にいながらこの道を通るのはかなり久しぶりだったりして。いい道なんだけど、観光客向けというか、市民向けの道ではないよなー。

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といいながら、たまに歩くといい道だよなー。福井や富山にはこういう道がないんだよ。高岡古城公園の周りが多少それらしいかな・・都市の品格を創る上ではこういう道の存在はとても大きい。

今日は兼六園が無料解放されており、実に久しぶりに兼六園に立ち寄った。京都の人間がお寺に行かないように、金沢の人間も兼六園には行かないのである。でも久しぶりに立ち寄って、たまには来た方が美的感覚を養うにはいいかもしれない。

1月に万博記念公園の日本庭園に行ったのだが、誰が設計したのか大味でとてもできがよいとは思えなかった。兼六園は、日本三名園の中で一番知名度が高い庭のような気がするのだが、だからといってずば抜けて優れた庭かというとそうでもない。しかし今日足を運んで思ったのは、兼六園の魅力は、曲水やことじ灯籠もさることながら、苔ではないかと思うようになった。

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なんて言うか、深い緑なのだが、その緑がきらきら輝いて見える。ふかふかの絨毯の表面が光沢を帯びているような、そういう柔らかさと艶っぽさがそうさせるのだろうか。

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流れの周囲も苔むしている。

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兼六園の中の桜はまだ3分咲き程度だそうな。

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桜と苔の組み合わせは、悪くはないのだが特別よいわけでもない。苔の地色に桜の淡いピンクはちょっと合わないかも。松の木が背景になっているのでまだ調和している風に見えるかもしれない。

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むしろ椿のような原色のほうが苔には合うかもしれない。

今日兼六園を1周して、一番気に入ったのが、山崎山と呼ばれる築山の苔である。

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築山全体が苔に覆われており、苔の中からかすかに光を発しているようで、暗くて明るい雰囲気を醸し出している。なんというか、暗い藪の中をさまよっていると、偶然現れる場所のようというとそうでもないか。

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苔庭というのは日本中どこでもあるわけではなく、京都や北陸のような寒暖の差があって湿潤な場所でないと成立しない。箱根に有名な苔の庭があるが、基本的には関東ではあまり見かけないらしい。兼六園にあって、偕楽園や後楽園にないもの、それは苔のもつ艶っぽさかもしれない。芝では出せない味わい深さが兼六園にはあるのかもしれない。

帰りに近くのうどん屋で昼食を食べるが、こんな表示があった。

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・・・なんというか、非常に微妙な言い回しやなー。被災地の人が見るといい気分にはならないだろうが、かといって表示せずにはいられないというか。しかし正直見たい文章ではないよな。

これだけのリスクが顕在化した現在、さすがにもう原発はだめだと思うなー。我々も含めてライフスタイルを変えることから考えないとこういう問題は解決しないのかもしれない。